途中、発作を起こすシーンがあったけれど、
ああ言う発作はまず有り得ない。
あれはどう見ても過喚気症候群(過呼吸)の発作である。
あの様な発作が有り得ないだけでなく、
発作を鎮めるための吸入薬、メプチン・エアーの使い方もおかしかった。
まず、メプチン・エアーを使用する前には、容器を良く振らなくてはならない。
なのに、ドラマではそれがなかった。
剛洋の手から容器を引っ手繰って、すぐに口に咥えていた
次に、薬剤を吸い込む前に、息を全て吐き出してしまわなければならない。
つまり、胸に残った空気を全て吐き出して、次に吸う息と一緒に薬剤を吸引するのだ。
そして、吸入した後は暫く息を止め、薬剤が肺に広がり、気管支を広げるのを待つ。
「発作の最中に、そんな余裕があるか!」
と、何もご存知ない方から言われてしまいそうだが、
実はこれは喘息患者の本能(?)みたいなもの。
喘息と長年付き合っていると、
どんなに酷い発作の時も体がそれを覚えていて、自然に出来る様になる。
喘息を二十数年患っては入退院を繰り返している私が言うのだから、それは間違いない。
あの女の子も、喘息患者と言う設定なので、
本来であれば、体にそう言った習慣がきちんと植え付けられているはずなのだが。
また、アプリケーターを口に咥えるのはいいが、
あんなに口をあけていては、薬剤が体の中に入らず、吸い込む事が出来ない。
まあ、役柄なので本当に吸い込んでしまっては、
健康な人間には害でしかないから、そう言う配慮があったのかもしれないが。
それと、2回続けて吸入する際は1分以上の間隔をあける事になっているのに、
あの女の子は2回立て続けに薬剤を噴射させている。
あれは、実際の喘息患者から見れば、実に怪しさ満載のシーンだった。
メプチン・エアーと言う、お馴染みの薬がが出てきた時点で、それだけリアリティがあるなぁと感心していたのに、非常に残念でならない。
確かに、喘息には海の側がいい。治療目的の喘息学校は必ず海の側にある
それは設定としても理解できるけれど、本当は、あまり綺麗すぎる空気は却ってよくないのよ。
現に、秋の澄み切った空気が原因で発作が誘発されるため、
喘息患者にとって秋は実に辛い季節だし、
病院へ行くとそこら中に喘息患者が溢れ返っているのも秋なのだ。私は年中だけど
それに、高原なども高度による気圧の変化もあるかもしれないけれど、
やはり、ああ言う場所も発作を起こしやすい。
なので、あのドラマの中の設定にもあった、
喘息だから空気が綺麗な場所に
と言うのは間違いなのである。現に私などは都会の方が調子が良い
まあ、ただ、喘息の薬を小さい時から使用していると、
副作用でどうしても肥満になってしまうんだけど
あの女の子がある程度ぽっちゃりしていたのは理解できたけどね。
う〜ん。
年中病院通いをしている私はああ言う医療系の番組は粗探ししか出来ないから
見ない方がいいのかもしれないわね。
2004年11月16日
メプチン・エアーの正しい使い方
先日、Dr.コトー診療所を見ていたら、喘息(役)の女の子が出ていた。
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消楽会イベント「秋といえば…」
Excerpt: お友達のブログを見てあせった(>_
Weblog: ちいちゃんの楽しみ
Tracked: 2008-10-03 20:29
メプチン、俺も長年世話になってますが、高校で東京来てから頻度が減ってます。俺は幸いそんなにひどくないから前は一年に一本くらいだったけど、今持ってる奴は二年前の奴、、、使用期限切れてるかも。。。空気のよいところ(高地)に行った時に湿度の変化など(急に湿気ると)を突然感じたりすると出ますね。
お久しぶりです〜^^♪
やっぱりみやむぅさんもそうですか!
私もなんですよ。
私は年々喘息自体が酷くなっている疑いが隠し切れないのですが、それでも、大阪にいた時は本当に発作の回数が少なくなっていましたし、もし発作が起きても軽くてすんだんですよね。
やはり、喘息=空気の綺麗なところと言う方程式は見直されるべきだと思います。
逆に喘息患者は湿度や気圧の変化に弱いですよね。
空気云々よりも、治療用の気密室の様なものを作って、発作が起きたらそこに入るのが一番いいのではないでしょうか。
結構喘息患者さんっていっぱいいるんですよねぇ。。。